文字数: 73,568

Viva La Vida/美しき生命



Feb. 3, 1978

雨でかなり冷え込んだが、出動は無し
パトロールでも異常無し、すこぶる良い一日

 どうやら、私とバーナビー君は友人になることになったらしい。

 とても興奮していて、うまく順序立てて書くことができないけれど、まずバーナビー君のことを少し書いておきたい。
 彼の人生にはひとつ困難で過酷な目標があり、彼は見事にそれを成し遂げた。相棒であるワイルド君や、よく気のつくファイヤー君は、バーナビー君の居ないところで、これからの彼の人生を心配していると時折漏らしていた。しかし今になってみれば、それは全て杞憂だったと分かる。私にはジェイクの件を経た彼が、時々光の塊のように見える。精一杯、命の全てを使って、今の時間を楽しんでいるバーナビー君を見ていると、なんだか私も幸せな気分になる。だから私は彼に  だめだな、いい言葉が浮かばない。何か感じるものがあるんだ。
 ともかく、今日はタイガー&バーナビーとトレーニングセンターで一緒になった。最近彼らは人気者だから、タイミングが合わない日の方が多い。今日は運が良かったんだろう。休憩スペースでバーナビー君と一緒になったのもきっとそのひとつだ。私はこの前、遡ると1/25のことだったが、その事件で彼が怪我を負っていたことが気になっていて、状態を尋ねた。そもそもあれは私の風が原因のようなものだったからね。けれど、バーナビー君は最初、なんのことだか分かっていない顔だった。それから、忘れてしまうくらいには大したことない怪我でしたよ、と答えてくれた。貴方が気にすることではない、とも。彼は本当に気のいい男だ。
 その話はワイルド君も聞いていて、お前はいつの話してんだよと呆れられた。しかし書いたように、私と彼らとではなかなかタイミングが合わないので、聞くチャンスをやっと手にしたのが今日だったんだ。ワイルド君はますます呆れて、PDAがあるだろ、それが嫌なら連絡先くらい知っといたら、とバーナビー君から携帯電話を奪い取って私に差し出してきた。それから、歳も近いし酒でも一杯やって、腹割って話すのもいいんじゃないかと続けた。バーナビー君がそれはつまり友人になるってことですか、と聞き返したら、まあそういうことかなあと返事をしていた。あまりハッキリした返事ではなかったから、本当は言いたいことと少し違ったのかもしれない。
 バーナビー君は私を見て、しばらく黙っていた。私も彼の顔色をじっと観察していた。ふたつ発見したけれど、彼の瞳は綺麗なグリーンだ。そして少しだけ、彼のその目は私より上の位置にある。
 それから、連絡先を交換して時間が合えば何か食べに行こうという話になった。嬉しくて何度も何度も彼の手を握って振った。考えてみれば、この仕事に就いてから、仕事以外のこういう約束は久しぶりかもしれない。後でページを戻ってみたい。
 すっかり長くなってしまった。彼のデビューは本当に衝撃的で、何かを感じさせてくれるものだった。ジョンと出会えたように、私は直感には自信がある。きっと明日からの毎日は今日よりも素敵になるに違いない。それはバーナビー君のおかげだから、私は彼に感謝する。そして感謝する!

 何度もこのページを読み返してしまう。その内に思い出して、覚えておきたいことがあるから加えておく。バーナビー君は私に、貴方が良ければ僕は友人になってほしいと思っていますと言った。普段はとてもクールだけれど、少し緊張した様子で、私がもちろんと答えると少しだけ微笑んでくれた。

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