うそつきも休日・正直者は平日
うそつきも休日 昔から嘘は下手くそだ。嘘をつこうとしてもどうしてだかすぐにバレてしまう。だけど嘘だってサッカーみたいに、何度も何度も重ねていけば少しは上達するものらしい。今まではそんなこと、しようと
うそつきも休日 昔から嘘は下手くそだ。嘘をつこうとしてもどうしてだかすぐにバレてしまう。だけど嘘だってサッカーみたいに、何度も何度も重ねていけば少しは上達するものらしい。今まではそんなこと、しようと
さくさくと砂の上を歩いている。 遠くの証明が照らすライオコット島の砂浜は、夜の闇に浮かび上がって不健康な色をしている。日本とは違う澄んだ空気が、何億光年先にある星や月の光をそっくり地上に通している
※ 2010-07-18 / 青春カップ2 / A5コピー / 20P / 円豪※ Pixiv掲載: https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=2268433
こんなところに、という稲妻町の一角にひっそりとその花屋はある。 その青年がすぐに目に付いたのは、頭から爪先まで皺のひとつも無いスーツ姿だったから……ではない。スーツ姿の人間なんて、今この時にも世界
夏度体温 「豪炎寺、海に行こう!」 次は体育の授業なので、男子だけになった教室は着替えに騒がしい。女子は原因不明の理屈でやたらと着替えに時間をかけるが、男子の着替えなんて早いものだ。頭から体操服を被
目を開けた。カーテンの向こうがぼんやり明るいのを目だけで確認して、朝の気配を感じる。どうしようか少し迷って、ゆっくりと身を起こした。あまり厚くない合宿棟の壁の向こうも、今はしんと静かだ。昨晩はしゃぎ
「豪炎寺」「……うん?」 車の後部座席で窓の外を眺めていた円堂は、ふと隣に座る豪炎寺の名を小さな声で呼んだ。豪炎寺は手元の写真から目を上げて円堂を見遣る。 「いい匂いがする」 円堂の声量は低いまま
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