V
Aug. 19, 1979
晴れ とても暑い 水分補給を怠らない
ビッグツリーの観覧車が停止、救助のため出動
パトロール異常なし
12:08、ビッグツリーの観覧車が停止したため出動。事件性はなく、事故。2部ヒーローと協力して救助活動に当たった。彼らは実に優秀だ。陽射しが強く、衰弱している人もいたが、全員命に別状無し。ブルーローズの活躍が大きい。元々は休日だったので、ドラゴンキッドやブルーローズに誘われてみんなで夕方から少しだけビッグツリーで過ごす。ドラゴンキッドとジェットコースターに久々に乗ったが、昔はもう少し早い速度だった気がする。安全のために徐行になったのだろうか。ドラゴンキッドに言ってみると笑われた。彼女は私より随分若いので分からない話だったかもしれない。
その後ホーンテッドハウスに入ったが、バイソン君はこういうところが苦手だったらしい。夢に出そうだと言っていたから、ドラゴンキッドが「モォ」が食べてくれるよと教えてあげていた。熊のような体で、象のような鼻を持ち、目はサイのようで、牛のような尻尾と虎のような足を持っている生き物らしく(どこか間違って覚えているかもしれない)、悪夢を食べるそうだ。残念ながら私にはうまく想像できないが、バイソン君はそいつこそ夢に出てきそうだよと呟いていた。
こうしてると普通の友達みたいだけど、考えてみると変なグループよね、とブルーローズが言っていた。そういう時に、私は彼のことを思い出す。ここは彼の活躍の始まりだから、余計にそう思うのかもしれない。コンビ揃って引退してしまった彼らは今、何をしているのだろうか。友人でなくとも、彼が幸せであることを祈る。
あの日のことはまるで悪い夢のようだ。いつまでも尾を引いて、私の中に残っている。もし「モォ」が居れば いや、体は熊だと言っていたから、かなり凶暴かもしれない。ジョンに何かあると困るな。
時々、彼のあの、小さいけれど眩しい微笑みがまた見たくなる。