文字数: 16,794

弟妹同盟。(モクバ+静香+ほんのり表海)



「静香!無事だったか!」
「お兄ちゃん!」

 再会を喜び合って城之内と静香が抱き合っている。案の定と言うかなんと言うか、海馬は不機嫌そうだ。それでもモクバが駆け寄ってくると、その頭をポンポンと二度だけ撫でた。遊戯からすると、どちらも羨ましいくらい仲の良い兄弟だ。

「静香、その花は……?百合か?」
「海馬さんがくれたの!キレイでしょ?」
「海馬、が……っ?」

 油の切れた機械のようにゆっくりと城之内が首を回した。かく言う遊戯も、モクバも、驚いて海馬を凝視している。その視線が気に入らないのか、海馬は更に顔を歪めた。

「その女はいきなり家に上がりこんだかと思えば花瓶を割り水と花をブチ撒けてくれたんだぞ。その他にも迷惑通しの一日だったわ!これ以上どんな迷惑をかけるつもりだ!」
「ご、ごめんなさい、本当に……。でも、また来ていいですか?また来たいんです」

 静香の凝視を憎々しげに受け止めていた海馬だが、唾でも吐くように顔を背ける。それから勝手にしろと続けた。話の通じん相手に何を言っても無駄だ云々かんぬん。

「静香……!ダメだぞ……!それだけはお兄ちゃんは許せねえからな……!絶対ダメだぞ……!」
「何が?お兄ちゃん」
「静香ぁ!」
「……城之内ってやっぱシスコンだよな」

-+=

ご不便をおかけしますが、コピー保護を行っています。